タンジュンハラパン村の苗グループの新たな挑戦 ジュルンブン

 

パー ムオイルを採るためのアブラヤシプランテーションと隣接するタンジュンハラパン村では、ここ最近、プランテーション会社とのコンフリクトが続いており、時 に村人によるデモンストレーションが行われています。原因はプランテーションが村の境界線を越えて、入ってきていることです。コンフリクトは村人だけでは なく、僕が訪れた時には従業員による雇用を良くするためのデモが行われていました。実は、バスキさんがアドバイスしたそうです。また、2週間前にエコツー リズムで来たオランダの青年は村人と従業員と共にインドネシア語で話し合ったとのこと。

 

ジュルンブンはプランテーションと村の境界でFNPFと村人が土地を購入し、アグロフォレストリー(森林農法)などの持続可能なプロジェクトを進めている場所です。

 

 

僕 が苗作り冊子の意見を求めにバスキとボゴールをまわった時に、ホームステイしたニョマンさん(ウェットランド・インターナショナル・インドネシア事務局 長)が、バスキにある依頼をしていた。(僕は後から知ったのだが)。ジュルンブンでのリフォレストレーション(森林再生)をウェットランドが村人にプロ ジェクト委託するというものだ。

 

僕が村へ滞在したとき、ちょうどその話を村人としていた。「新しくグループを作ることにした。もっともセコニャールレスタリのメンバーが全員入っているけど」。このプロジェクトは、いままでのように苗作りをして、それをFNPFなどのNGOに売るのではなく、

 

概要はこうだ。ジュルンブンには村人が持っている土地がある(多くは約1haほど)。そこに1ヘクタール当たり1000個の苗を植える。ウェットランドは彼らにそのための援助をする。成功すれば、援助したお金は返さなくてもいい。失敗すれば返してもらう。

村人にとっては、成功すればただで インセンティブになる。最初から援助ありきで任せるとたいてい失敗する(日本のJICAなどはよく失敗している)。この話は以前、ニョマンの家に泊まったときに彼が語ってくれたものだ。

 

僕も参加した話し合いで、新しいグループの名前が 「Karya Mandiri Sekonyer 」、リーダーがエムジャイスさんに決まりました。

 

 

 

ま た、このプロジェクトはジュルンブンだけにとどまるものではなく、タンジュンプティン国立公園の外側も含むものです。外側のプランテーション拡大やマイニ ングによる環境破壊は深刻で、森林再生が求められます。また、ウェットランドはマングローブに関する 国立公園の外側を囲む海まで広げられる可能性があり ます。実は5年前からバスキさんの中でも構想があったそうですが、現実的に費用や人件に関して実現に至りませんでした。今回、大きなプロジェクトが委託さ れることで、手をつけることができました。手始めにバスキさんは、ジュルンブンにトレーニングセンターや環境教育施設、消防の基地、またジェンダーに関す ることまで幅広くしたいとのことです。この考えにはニョマンさんも同意で、複合的にアプローチすることを指摘しています。

 

ウータンでは昨年から、この場所に、オランウータンの確認および、アブラヤシプランテーションの拡大の見張り小屋を作ることを考えて、今回ハドランさんにお願いしました。うまくバスキの案と絡められることが望まれます。

 

ジュルンブンおよび、国立公園の外側での動きがどうなるか。

新しい挑戦から目が離せません。